会心の面を解く

中根悠也


平成23年(2011)
第41回全国中学校剣道大会
8月25(木)、兵庫県・加古川市立総合体育館。
戦い抜いた16試合。執念のひき面が決まる

杵築中学校・中根悠也(大分)の戦いを見ながら、この小さな身体のどこにそんな力があるのだろう、と感じずにはいられなかった。

第41回全国中学校大会、自身が大将を務める団体戦、そして個人戦と両部門で快進撃を見せた中根。
当時身長165cmしかない中根が大人と見紛うばかりの堂々たる体格を誇る対戦相手を次々に撃破し、個人戦では見事に優勝。
団体戦でも日本一まであと一歩に迫っていた。

団体戦決勝、香芝中学校(奈良)との戦いは2(2)│1(1)のスコアで杵築中リードのまま大将戦を迎えたが、ここでは安井奎祐に面を打ち込まれ、勝負は代表戦へ。

代表戦は再び大将同士の戦いとなったが実は中根、この大会最終日には個人戦を3試合(準々決勝.決勝)、その後の団体戦準々決勝、準決勝はいずれも自身が戦った代表戦の末での勝利。つまりこの決勝の代表戦はこの日すでに9試合目の戦いであった。

当時の心境を中根に聞けば、意外な答えが返ってきた。

「代表戦になってもチームのみんなが自分の勝利を信じてくれている。周りのそんな信頼がうれしくて疲れを感じることはまったくありませんでした」

緊張感漂う勝負を決したのは中根選手の得意とするひき面。

「特別に稽古している技ではないのですが、なぜか大事な場面で決まるんです」

この大会2日間を通して中根が戦った試合数は、個人戦7試合、団体戦9試合の合計16試合に及んだ。

現在、水戸葵陵高校(茨城)の3年生となった中根。今夏のインターハイには団体戦・個人戦の両部門で出場を果たしている。詳細は今月号でも報じているが、あの小柄な中学生がたくましさを増し、個人戦で日本一を獲得。身長はあの頃から比べて5cmほど伸びたそうだ。

中根悠也
(なかねゆうや)

平成8年生まれ。大分県・杵築中学校から水戸葵陵高校(茨城)に進学。
現在、3年生。主な戦績には全国中学校剣道大会団体・個人優勝。
インターハイ団体ベスト8、個人戦優勝、全国高校選抜大会出場、玉竜旗大会3位などがある。
三段

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